びーなす
ビーナス

編集 履歴

登場作品 実況パワフルプロ野球2013
登場シナリオ ラグナロク分校編
所属 ラグナロク分校
ポジション マネージャー
利き手/足
誕生日 不明

概要

自称、アマテラス=アフロディーテ=ヨシコ。略してビーナス。ちなみに本名は『井上ヨシ子』だが、そう呼ぶと怒る。一応、野球部のマネージャーをやっている。(パワプロ・プロスピ公式Twitterより)

 女神アマテラス=アフロディーテ=ヨシコを名乗るラグナロク分校のマネージャー。ビーナスというのはあくまで本人が周りにそう呼ばせている愛称である(※ギリシャ神話における美の神アフロディーテは古代ローマにおいて女神ウェヌス=英語名ビーナスと同一視された)。

 水色の体毛に水色の瞳を持つ日本人離れした美貌に月桂冠らしきものを被った、女神の名に恥じぬ神秘的な出で立ちをしているが、そんな見た目と裏腹に本性は俗っぽく高飛車なわがまま娘である。日差しを嫌ったり居眠りしたりでマネージャーの仕事をしばしばサボる上、何か仕事をしたかと思えばいちいち女神のように崇め奉ることを求めてくるなど尊大かつ傍若無人な振る舞いが目立ち、主人公からはイマイチよく思われていない。その一方で、恋は盲目と言うべきか、おしとやかで可憐、かわいくて優しい理想の姫君だと火野勇太郎からは想いを寄せられている。






※※※以下ネタバレ※※※




正体

 本名は井上ヨシ子。女神でも何でもなく、ただの日本人である。彼女が語るところによれば、孤独に苛まれながら自堕落な両親の下貧しい家庭に育ったとのことで、デートを断ってくる際の描写(物が壊れるような音が聞こえる中、とある事情で行けないと断られる)や自身が時折見せる振舞い(気に入らない相手を物陰に連れ込んでヤキを入れる)から、恐らく暴力の絶えない環境に置かれているのではないかと推察される。また、居眠り癖に関しても、荒んだ家庭環境が響いて夜間に十分な睡眠時間を取れていないことが原因の可能性がある。

 過去を明かそうとした中学時代の同級生を実力行使で無理やり沈黙させる様子や、主人公と見に行った推理もの映画に過剰反応し、嘘を暴くなんて悪趣味だと断じる様子からも明らかな通り、不幸な井上ヨシ子を能天気で見栄っ張りな女神・アマテラス=アフロディーテ=ヨシコのキャラクターにより覆い隠してしまうことで辛く厳しい現実から目を背けようとしているのだが、最終的な望みはそこから完全に脱却して"幸せ"になることである。ゆえに、ラグナロク分校編においては理想の"幸せ"な世界を目指して平行世界を渡り歩く『移動』を火野らと共に続けている

 しかし、その思い描く"幸せ"はどこかの誰かに幸せにしてもらうという具体性に欠ける他力本願としか言いようのない代物で、自ら運命を切り開くという発想すら持ち合わせていない。この幸せをいつか転がり込んでくるものと思っているビーナスが、いかにして自力で幸せを掴み取ろうと思うに至るかが彼女にまつわる物語のキモである。

イベキャラ(パワプロ2013)

通常バージョン

自己紹介

 主人公がスポーツドリンクを取りに部室へ入ると、昼寝をしてサボっているビーナスを発見。たまらず叩き起こして居眠りを咎めるも、自称がアマテラス=アフロディーテ=ヨシコであること、愛称がビーナスであることなどといった設定説明を自ら行った後、彼女はそのまま"瞑想"(=昼寝)に戻ろうとしてしまう。
 瞑想なんかではなく昼寝にしか見えないとツッコんでも効果はさっぱりで、一般人には見分けが付かなくてもしょうがないと高笑いと共に返される始末。態度を改めさせるのは諦めて、部活中は起きていてくれないと困るとチクチク注意しつつ、本来の目的であるスポーツドリンクについて尋ねてみる。
 すると、手元にあるにはあるが、先にやることがあるはずではないかと勿体ぶられることに。何を求められているのかわかってしまい、「お、お願いします、ビーナス様ァ!どうか私めにおめぐみを~っ!」と平身低頭お願いしてやっと、「オホホホホ、よろしい。あなたにこれを授けましょう。さあ、お受け取りなさい!」とスポドリを手に入れることに成功。ちょっと恥ずかしいが、ビーナスをうまく御するにはこのノリに付き合うしかないと嘆息する主人公なのであった。

Nイベント『動いてビーナス』

1回目

 またしても居眠りするビーナスを見咎めた主人公。練習中に何をやっているのだと問い詰めると、「ええ、退屈になってしまったので自主的に休憩をしていたのです。睡眠はお肌にもいいのですよ!」と開き直られてしまう。マネージャーなのだから練習を手伝って欲しいと言うと、「マネージャーとしてでなく、一個人として見ていただきたいですわ!」と屁理屈をこねられ……。(※彼女と付き合い始めると「怒る」の選択肢は表示されなくなる)

  • 「怒る」を選んだ場合、マネージャーがそんなことでいいのかと叱りつけることに。が、話し合いが必要のようだと物陰に連れ込まれた彼は、(ドカッ)(バキッ)(ボコッ)と話し合う余地もなくボコボコにされてしまい、二度と意見しないでおこうと後悔する羽目になるのであった。

あらあら……
○○くんとは、一度じっくりお話したほうがいいですわね。

ここではなんですから、こちらにいらしてくださいな。

  • 「おだてる」を選んだ場合、ビーナスのような可愛い子が手伝うと部員のやる気が変わってくる、一個人として見ているからこそ手伝って欲しいのだと熱弁を振るい、彼女をノリノリで手伝わせることに成功するのであった。

それほどご理解いただけているなら断る道理もございませんわね!
私、全力でバックアップいたします!

  • 「自分でする」では、無理をさせるわけにはいかないから自分たちでやると申し出ることに。一応明日はちゃんと手伝うと約束させつつも、どうせ明日には忘れてるんだろうなと内心では諦めきっている主人公なのであった。

2回目以降

 やる気が出ないからとまたまた休憩しているビーナスを見つけた主人公は……。

  • 「怒る」を選んだ場合、テキスト分岐が発生。
    • まだ「怒る」を選んだことが無い場合、1回目と同様の内容となる。
    • 既に「怒る」を選んだことがある場合、「怒りたい……けどあのビーナスの恐怖は二度と味わいたくないよ」とトラウマに打ち克つことができず、選択肢を選び直すことになる。
  • 「おだてる」を選んだ場合もテキスト分岐が発生。
    • まだ「おだてる」を選んだことが無い場合、1回目と同様の内容となる。
    • 既に「おだてる」を選んだことがある場合、「残念だな、みんながビーナスの笑顔を待ちわびてるのに……」と再びおだて、彼女を乗り気にさせるのであった。
  • 「自分でする」を選んだ場合も同様分岐が発生。
    • まだ「自分でする」を選んだことが無い場合、1回目と同様の内容となる。
    • 既に「自分でする」を選んだことがある場合、ビーナスには休んでもらって自分たちだけでやると申し出るのであった。

Rイベント『井上と呼ばないで』

 ビーナスと買い出しに出かけた主人公。力仕事は苦手だと不満タラタラの彼女に対し、「でも、スポーツ用品店の店員さんがビーナスのファンみたいでさ。ビーナスが行くと決まってオマケしてくれるんだよね」「街の人たちもビーナスの美しさにメロメロなんだと思うなー!」などとおだてると、にわかにノリノリに。

 扱いにくいのやら扱いやすいのやらと苦笑していると、そこへビーナスを井上と呼ぶ男性が登場。中学の同級生だった野村だと名乗るその男は、人違いだとはぐらかそうとする彼女に「なんだよ、冷てえな。一緒に買い食いとかしてたじゃねえか!思いだせよ井上!」と食い下がる。
 いよいよ実力行使で黙らせるしかないと判断したらしいビーナスは野村を路地へと誘い、「ぶっそうなもの」を取り出して手際よく(ドカッ)(バキッ!)(ボコッ!)と制裁(ピクピク)と彼が痙攣を起こす擬音が差し挟まれた後帰還した彼女から、「ご気分がすぐれないとあちらの路地で横になっておられます」と野村について告げられ、「とりあえず、ビーナスの本名と過去には触れないように気をつけよう」とおっかなく思う主人公なのであった。

……○○くん、少しお時間をいただけませんか?
この方は誤解をしているようなので。

1分、いえ30秒で結構です。
では、野村様。あちらでお話いたしましょうか?

Rイベント『人生設計』

 人生設計について考えたことはあるかと突然ビーナスから問われることになった主人公。意識の高い者なら人生設計くらいあって当然だと語る彼女に、「ビーナスって、そもそも意識高かったっけ?」と口答えして睨みつけられ、慌てて撤回するといういつも通りのやり取りを差し挟んだ後、「まずは甲子園優勝!そしてプロ野球選手になる!これが唯一にして最大の目標さ!!」といういかにも"らしい"答えを返す彼であったが、野球が出来なくなった時の想定が全くなされておらず不合格な解答であると酷評されてしまい……。

あの、突然ですがつかぬことをおうかがいしてもよろしいでしょうか?
○○くんは、人生設計を考えたことはおありですか?

どこに進学し、どこに就職し、どのあたりで結婚して、どのあたりで家を建てて……
意識の高い人間ならそういう計算のようなものを誰しも持っているはずですわ。

  • 「それもそうだな」を選んだ場合、彼女の意見に賛同することに。野球が出来なくなったとき何をするか考えてみるも、やはりどうしても野球を離れた発想はできず、少年野球のコーチという結論に帰着。そのブレることのない野球愛に感心しつつ、「私にはそういうものは……」とポツリ呟くビーナスなのであった。
  • 「野球一筋だ!」を選んだ場合、先行きについてばかり考えて目の前の野球に生半可な気持ちで取り組んでも結果はついて来ないと反論。「甲子園優勝も、プロでの活躍も、それだけをずっと考えてやっとつかめる目標なんだ!」と啖呵を切ってみせる。しかし、「道を自ら狭めてしまうなど、私には理解できませんわ!」「全然かっこよくない……いや、一回りしてかっこいい?やっぱり理解不能です!」とビーナスからは首を傾げられてしまうのであった。
  • 「そういうビーナスは?」を選んだ場合、逆に彼女の人生設計について問うてみることに。すると返ってきた「よき伴侶を見つけ、安定した収入を得て安定した暮らしをするのです!」との答えに対し、「ええーっ!!そんな人生設計でいいの?」「旦那さんの稼ぎで楽したいっていってるようなもんじゃない?」「そんなこと言ってると結婚相手の基準が高くなるからそもそも結婚できなかったりして…」などと猛烈な批判を浴びせかける。そして、案の定漂い始めた不機嫌オーラを察知し、完璧な人生設計だとアッサリ掌返ししてみせる彼であったが、内心では「恐ろしい人生設計だ。あまり係わり合いになりたくないな」とさらに毒づくのであった。

告白イベント『お試しに』

1回目

 他の部員が帰り、2人きりの部室。主人公は恋愛経験があるかとビーナスから尋ねられることに。

  • 「恋愛くらいしたよ」を彼女ができたことがない状態で選んだ場合、確率で追加テキストが発生。そのようには見えないがずいぶんと見栄っ張りのようだとこきおろされてしまう。
  • 「実はまだなんだ」を他に彼女がいる状態で選んだ場合も確率で追加テキストが発生。隠し事をするなんて人が悪いとなじられてしまう。

 そして、少しの間を置いた後、そんなことを聞くためにわざわざ自分を待っていたのかと尋ね返すと、自分が世間一般とズレているかを確かめたかったのだとの答え。ズレているのは今に始まったことでは無いと茶化してみると、「あちらのロッカーの裏側でじっくり聞かせてもらいましょうか?」と脅されて撤回することとなる。

 そんなやりとりを経て、「眼鏡にかなう男性と巡り合えなかった」から、恋愛経験どころか片想いをしたことすらもないと打ち明けられ、「確かにビーナスの理想って高そうだもんな」とすっかり納得。「そのうち見つかるんじゃない?ほら、アラブの石油王とか!」と再び茶化しにかかるも、「いえ、すでに1人見つけております」「今、私の目の前におります!」となんと自分自身がアプローチをかけられる展開となる。びっくり仰天の主人公であったが、「私の周りでは一番マシ」だから選んだという説明に、誰でも良いんじゃないかとガックリ。「正直に申しますとそうです!」「このまま、恋愛経験もないまま卒業してしまうのは嫌です」という大変身勝手な言い分とともに「さあ、私とお付き合いしなさい!」と迫られた彼の答えは……。

  • 「付き合う」を選んだ場合、取りあえずOKを出し、お試しで付き合ってみることにするのであった。(交際スタート)
  • 「そんな気構えでいいの?」を選んだ場合、そんな姿勢では付き合っても長続きしないだろう、お互いが対等に認め合えることが交際の大前提だと答えを保留に。プライドを傷付けられた様子のビーナスは「……後悔しても知りませんからね」と捨て台詞を吐いて去って行くのであった。

2回目

 再び2人きりとなるタイミングを狙って、ビーナスから話しかけられた主人公。「この前はとんだ恥を私にかかせてくれましたからね」「私ほどの女性に無礼な物言い……これが悪くなくて何が悪いのです!」と先日の件を根に持っている様子の彼女に、自分も鬼ではないのでもう一度チャンスをやる、付き合う権利を一時的に貸与してやるのだと迫られることとなり……。

  • 「借りてみる」を選んだ場合、その貸与期間というのはどれくらいなのか尋ねてみることに。飽きるまでだとの返事に対し、それでは弄んでるだけではないかとツッコむと、しかし楽しませてくれる限りは永遠に続くのだとビーナスはあくまでお気楽。いつも振り回さっぱなしだと頭を抱えつつ、「ま、悪くはないかな」と取りあえず交際を承諾する主人公なのであった。(交際スタート)
  • 「借りない」を選んだ場合、「借りてみようかな!」と承諾するフリをした直後に「やっぱりやーめた!」と撤回。こういう関係は長続きしないし幸せにしてあげる自信もないから、わざわざ相手を傷つけるような選択はできないと語り、「オレよりいい男なんて星の数ほどいるさ!」と白々しい励ましを贈るが、それはその通りだとアッサリ同意されてしまう。続けて「私を振ったこと、後悔しても遅いですわよ!」と前回と同じような捨て台詞を吐かれ、既にそんな気分になり始めていると素直に認めると、マネージャーとしての付き合いは続くからとむしろフォローされる展開に。すかさず、「えー?そんなのもとからあんまりしてないし……」と皮肉るも、例によって実力行使をちらつかされたため、慌てて退散。そんな彼を見送り、自分の見る目に狂いはなかったと静かに笑うビーナスなのであった。

やはり、面白い人ですわ。
私の人を見る目もなかなかですわね。

デート

1回目

 初デートは食事に連れて行くつもりだと言われ、ただのレストランでは満足しない、キャルルラパン(3つ星を獲得している有名高級レストラン)くらい格式のある場所なら見直してやるといつも通りのマウンティングを仕掛けるビーナス。しかし、待ってましたとばかりに商店街の福引でキャルルラパンのお食事券が当たったことを伝えられることとなり様子が急変。「そ、そうでしたの」「うふ、ふふ、ふふふふ……」「ほら、私ほどになれば、その程度では喜んだりはいたしませんのコトよ?」など、口調が乱れるくらいに動揺してしまう。

 いざ迎えたディナー。流石は3つ星だと一流の料理を賞賛する主人公に対抗し、「まあ5つ星には及びませんが」とバレバレの知ったかぶりをしてしまったビーナスは、新たに運ばれてきた料理を前にどうすればいいかわからずまごついてしまう。そんな彼女の様子を受け、どのナイフとフォークを使えば良いかわかっていないのだなと勘づいた彼が取った行動は……。

  • 「自分がリードする」を選んだ場合、一番外側を使うのだと教えてあげることに。「このお店は他と違うので戸惑ってしまいましたわ」とごまかしにかかる見栄っ張りに対し、どの店であってもコース料理では外側から順に使っていくだけだと指摘しただけでは飽き足らず、「初デートで上がってる?それとも……」と追い打ちまでかけてしまっては一巻の終わり。気分を害した彼女に帰られてしまい、後悔に沈む羽目となるのであった。
  • 「さり気なくフォローする」を選んだ場合、無邪気なフリをして店員にテーブルマナーを教えてもらい、ビーナスが恥をかかずに済むよう取り計らうことに。はしたないとたしなめられても、「いやあ本当に慣れてなくてさ。ノーアウト満塁にされた時よりドキドキするかも」とあくまで道化に徹し、余裕を取り戻した彼女が顔を綻ばせたのを見て、「ふふふ、やっとビーナスが笑ってくれた」と微笑むのであった。

2回目

 今度は映画へ。そもそも人混みがあまり好きではないと言われ、デート先を間違えたかと悔やんだ主人公は、それよりも結局はどんな映画を選ぶかだとプレッシャーをかけられてしまうこととなり……。

  • 「推理モノ」を選んだ場合、興奮冷めやらぬ主人公は、あまり楽しめなかった様子を見せる彼女にどんな背景があるかも知らず、「いや、犯人の化けの皮がはがされてくところなんて見ていて痛快じゃなかった?」「やっぱり自分の正体をいつわってもいつかはバレちゃうものなんだよ!」「ウソなんてつくほうが悪いのさ!」と特大の地雷を踏みつけてしまうことに。嘘を吐く方にも事情があるのに一方的に悪と決めつけてそれを暴き出すなど悪趣味だと猛反論を浴びせられ、そのまま破局を宣言されてしまうのであった。(破局)

……○○くんの考え方には賛同いたしかねますわね。
ウソをつくにしてもなんにしても、人にはそれぞれの事情があるのです。
それを一方的に悪だと決めつけて全てを白日のもとにさらすなど、悪趣味にもほどがありますわ。
○○くんとは意見があいませんね。これまでにいたしましょう!

  • 「恋愛モノ」を選んだ場合、2人して感動の涙を流すことに。涙は悲しいとき苦しいときに出るはずにも関わらず、ハッピーエンドで涙が出るのはなぜなのか、隣に座る主人公と感情を共有できた嬉しさで涙が出るのはなぜなのかと不思議がるビーナスは、嬉し涙の存在を教えられて、そんな経験などなかったと闇深発言。こうして幸せを感じたり人と想いを通わせ合って涙したりすることこそが恋愛なのかもしれないという言葉に、自分にも恋する心が備わっていたのだと歓喜した彼女は、2人の関係をお試しのものから本気のものへグレードアップさせようと提案するのであった。

恋愛……
そう……私は恋をする心を持っていたのですね。
これが恋愛なのですね?

ありがとう、○○くん。すばらしいデートになりましたわ。

  • 「野球のアニメ」を選んだ場合、原作を読んでいること前提の内容に置いてけぼりを食らったビーナスは、そちらは詳しいのかと主人公に質問。原作マンガは結構好きだとの答えに、毎日練習するだけでは飽き足らず、マンガでも映画でも野球関係のものを選ぶのか、と嫉妬の炎を燃え上がらせ始め、2人の関係をお試しのものから本気のものへグレードアップさせようと提案するのであった。

3回目

 ブランド品売り場に主人公を連れてきて、「こういうアイテムが女性の格を上げるのです。覚えておいて損はないですわよ!」と講釈を垂れるビーナスであったが、ちょっとした小箱でも3000ユーロ=約40万円することに仰天。自分たちにふさわしいお金の使い方をしようとスポーツ用品店へ移動することとなる。

こ、この小箱くらいなら手が届きませんか?3000円とか……
こ、これが4万円以上するのですか!?
……え?
ま、まさか!?よ、40万円〜!?

 自分へのプレゼントはいいからそのお金でスポーツ用品を買って実力を磨き、いずれあの売り場のブランド品を全て買い占められるような選手になって欲しいとお願いされ、「そんなの、どれだけ未来のことになるやら……」と苦笑いの主人公。しかし、「『いつ』を『すぐ』にするために、ここで道具を揃えるのですよ」との発破に気合を注入され、彼女の定めたスポ根路線に従って努力を続けると誓うのであった。

4回目

 学校のグラウンドへ連れて来られた主人公は、デートはおあずけと宣言された上で、スター選手になるための特訓と称して過酷な鍛錬を課されることに。
 ランニングのタイムを16秒(3分46秒→3分30秒)も縮めるまでは帰さないなどと無理難題を言い付けてくるビーナスの鬼コーチっぷりについて、付き合う前のサボり魔な姿からの豹変を不思議に思ったのも束の間、実力行使をちらつかされ、慌てて特訓に意識を戻す。そんなことをしているうちにだんだんと日は暮れていき……。

  • 成功パターンでは、日も完全に沈みきった頃、何とか全メニューをこなしきることに成功。「もう一歩も動けない……」と呟く彼であったが、よくぞ究極の特訓に耐えたと一通り褒められた直後、目に見える成果が出るまでこの特訓を毎日続けると告げられ、恐怖におののく羽目となるのであった。
  • 失敗パターンでは、日も完全に沈みきった頃、やっと目を覚まして、特訓に耐え切れず気絶したことを知ることに。実力不足なのだから本来なら愛想を尽かしても良いところではあるが、そういうダメなところも含めて好きになったので、永久にパートナーになると約束してくれるなら許すとプロポーズされ承諾。その結果、特訓の続きは夏の大会後に行うと告げられるのであった。(デート終了)

私の特訓を受けるにはまだ力が足りなかったようですね。
愛想を尽かしても良いと思うのですがそういうダメなところも含めて好きになってしまったもので。
……しかたがありませんね。永久に私のパートナーになるということで手をうちましょう!

……私ではおいやですか?

5回目

 4回目で成功したときのみ発生。

 過酷な練習を通じて絶対的な自信を身につけた主人公は、特訓の成果として見事なプレイを披露。「限界を超えたトレーニングのおかげでブランド品の購入がグッと早まりそうだよ!」とビーナスへの感謝を述べるが、「これはデパート丸ごとお買い上げに目標を修正しないといけませんね!」と要求を上積みされてしまう羽目に。道は険しいと苦笑を浮かべつつも、2人ならどんな道のりでもきっと大丈夫だと励まされ、これからもカップル二人三脚で歩んでいくことを誓い合う。

 そして、特訓の打ち上げと称して星空がよく見える場所へと赴いた2人は、永遠の愛を叶えるため流れ星に願いを捧げるのであった。

……はい。ずっと、ずっといられるように願いをかけ続けます。

クリスマス

 自宅にてウキウキでビーナスを待ち受けていた主人公。しかし、お待ちかねの彼女は、到着するや否や「ごあいさつは手短にしてくださいますか?」「私がほしいのはプレゼントです。どれほど私を評価しているのかをその内容で判断いたします!」と素っ気なく、自分がプレゼントを用意していないことについては「この聖なる夜を私と共に過ごせる。それだけでも素晴らしいではないですか!」と開き直るいつもの不遜な態度で登場。
 それでも腹を立てることなく笑顔で部屋へ招き入れ、寒い中わざわざ来てくれた彼女をねぎらうため取り揃えたという名店の温かいテイクアウト料理でおもてなし。すっかり絆されて、体だけでなく心も温まる何よりのプレゼントだと感激しきり(家庭が冷えきってるからね)のビーナスと、2人で幸せなディナーを楽しむのであった。

……いえ、○○くんの心づかいが身にしみたのです。
これは私にとって何よりのプレゼント。
心も体も温まりそう……

初詣

参拝前

 巫女装束をまとって待ち合わせに現れたビーナス。神社でバイトをしているのではなく、事情を知らない人からのお年玉目当てでとりあえず着ているという貧乏根性丸出しの説明をした結果、限りなく黒に近いグレーだからやめておいた方がいいと主人公からたしなめられてしまうが、「私にお年玉をくださった方にはきっとご利益がありますもの!」といつもの能天気発言で何となく叱りつけることのできないムードに持っていってしまうのであった。

参拝〜参拝後

 割愛。

バレンタイン

 チョコを渡すと予告され、その時を今か今かと心待ちにする主人公は、やっと現れたビーナスに「さあ、チョコレ-トが欲しくば私にひれ伏すのです!」と言われても、ノリノリで従うほどの期待のかけよう。すると、先程までの尊大な態度から一転、普通のチョコなのであまり期待するなと自信なさげに予防線を張った上で、今すぐ感想を聞きたいからとその場で食すよう言い付けられることに。
 不安げに見つめられる中チョコを口に運び、「うん、おいしいよ」と微笑。プレゼントを贈り慣れていなかったから不安でたまらなかったとほっと胸を撫で下ろす彼女を「大丈夫、ビーナスの気持ちは確かにオレに伝わっているよ」と優しく励ますのであった。

ああよかった!
お口にあわなければどうしようかと思っておりました。

人に何かをプレゼントする事がなかったので、慣れていないのです。
もうドキドキしてしまって。

エピローグ

 夕日差す河川敷でプロ入りした主人公を祝ったビーナスは、日々の努力を通じて運命を自らの手で切り拓いた彼への尊敬の念を述べた上で、自堕落な両親の下今現在も困窮した生活を送っている身の上を明かし、彼と出会うまで毎日精進することの大切さに気付かず、貧しい生活からきっと誰かが救ってくれるはずと信じ、井上ヨシ子としての自分を覆い隠して生きてきたと独白。今後は現実から目を背けず、少しでも良い暮らしができるよう努力するとの決意を語るが、どのような努力をすべきかわからないとの不安も同時に吐露する。

実は……私は裕福な家庭に育ったわけではありません。
両親は自堕落で、家庭は貧しく、今でも困窮しています。
私は、それを誰かに救ってもらうことで解決しようとしました。
そのために、自分をいつわり過去を隠して生きてきたのです。

でも、もうそんなことはいたしません。
これからは、本当の自分から逃げず、少しでもいい暮らしができるよう努力していくつもりです。

 すると、動機自体は褒められたものではないが、ビーナスとしての自分を周りに受け容れさせたくらいに意志を実現する能力があるのだから、まずはよくあろうと思い続けることが大事だと励まされることとなり、その思いを叶えた暁には新たに2人で幸せに暮らす願いをかけるつもりだと宣言。自分が何としても叶えてみせるからビーナスが願い続ける必要はないと応えてもらい、愛しさでたまらなくなって「ありがとう、○○くん」と彼を抱き締める。
 そして最後に、「感謝するのはオレの方さ。女神に愛される幸せなんてそう味わえるものじゃない。だから……その幸せをこれからもずっと届けてくれ」という主人公のキザな言葉で2人の物語は締めくくられるのであった。

*私服バージョン

 ラグナロク分校編が最後の追加シナリオだった影響もあってか、パワプロ2013の彼女候補で唯一ビーナスのみ私服バージョンが与えられなかった。

ラグナロク分校編

出会い(2年8月2週)

 ラグナロク分校に転校してきた主人公は、キャプテンの大役をいきなり押し付けられることに。クセモノ揃いの部をまとめられるか不安に思いつつ部の現状把握に努めるが、火野勇太郎水野魔太郎草野剣太郎ら「なりきり三人組」のほか、矢部門竜雄、鋼毅といったチームメイトたちの超高校級なプレイを次々と目の当たりにし、あまりの実力差に愕然。同時に、辺鄙な所にある小さな分校にこれだけの実力者が集まっているのはおかしいと訝しむ。

 するとそこへアマテラス=アフロディーテ=ヨシコという珍妙な名を自称するマネージャーが登場。その勢いに押され、ビーナスと呼ぶことを受け容れさせられてしまう。

 次いで、前週に姿を見せなかった理由としてしばらく学校を休んでいたことを明かした彼女に、マネージャーなら練習を手伝って欲しいと頼む主人公であったが、日焼けしたくないからと断られる羽目に。仕方なく1人で練習を始めることにするのであった。

グラウンドの謎(2年9月1週)

 深夜の部室、居眠りから目を覚ますや怪しげな物音に気付いた主人公が泥棒かと身構えると、部室に入ってきたのはなんと矢部門。忘れた野球道具を取りに来たと言われ、わざわざ深夜に取りに来る必要がないだろうと訝しむ。


 深追いするのはやめにして帰途に就くと、グラウンドに「なりきり三人組」とビーナスが揃っているのを発見し、口ごもる火野に代わってビーナスからグラウンドの設備点検をしているのだと説明される。サボり魔の彼女がわざわざ深夜にそんな作業をするのも、部員全員でなく4人だけで点検するのもおかしいと疑念は深まるばかりであったが、流石に今ここで口を割らせるのは難しいと判断し帰宅することに。「じゃあ、また明日!」と別れの挨拶を述べ、「ええ。出会うことがありましたら」という彼女の返事に違和感を覚えつつグラウンドを去る。


 翌朝、早速出くわした矢部門に野球道具が見つかったか尋ねると、「あ、ああ!バッチリでやんす!」と胡散臭さ満点の返事。さらに、教室の様子が何だかおかしいと指摘すると、気のせいだとまるで何かをごまかすかのように否定されることとなるのであった。

秋の地区予選敗退(2年9月2週)

 初戦を圧勝で勝ち上がったラグナロク分校であったが、2回戦を前にして主力中の主力である「なりきり三人組」が出場選手登録されていないことが判明。もちろん試合は敗北に終わり、明らかな人為的ミスなので抗議すべきだという主人公の主張に対し、なぜか火野らは及び腰。監督のミスということもあり得るではないかとビーナスに水を向けると、「いいえ、それはありません。ありませんとも」とやけに自信満々に否定されてしまう。

 ここで矢部門が、打ち込まれた投手が悪いと癇癪を起こし、「あんなヤツ、次の『移動』で……」と意味深な呟きをするも、ビーナスに睨まれ口を噤む一幕が。プンプン漂う隠し事の匂いにまたしても疑念を深める主人公なのであった。

グラウンドにて『移動』(2年12月1週)

 主人公は鋼とビーナスが何か真剣な会話をしているところに遭遇するも、挨拶した途端後者にはその場を去られてしまう。夜にグラウンドまで来て欲しいと誘われたが気乗りしないので断ったという鋼の話と、いそいそと電気ストーブを運ぶ矢部門の姿から、再び彼ら5人組が夜のグラウンドに集って何かをするのだ(ストーブはその際暖を取るため必要)と推理。真相を見極めるためグラウンドに張り込むことを決心する。


 予想通り、夜のグラウンドにはなりきり三人組、ビーナス、矢部門の5人が。どうやら誰それがいらないなどと言った話をしているらしい(恐らく地区2回戦で打ち込まれた投手のこと)。

 そうこうしていると、(ズズズズズズズ……)という轟音が鳴り響き始め、経験のない違和感に戸惑っているうちに、それは(シュウウウゥゥゥ…………)と終息。これで『移動』は終了だと散り散りに帰っていく彼らを見つめ、『移動』とは何なのか、先程覚えた違和感は何なのかと更なる疑問を抱くこととなる。

 翌朝、部室で見知らぬ部員が例の2回戦で打ち込まれた投手のロッカーを使うのを目の当たりにして主人公は大いに混乱し、周囲がそれを当たり前のように受け容れているため、もしかすると間違っているのは自分の方ではないかという思いに駆られてしまう。

 そういう経緯で、昨日までいた部員がいなくなって、昨日までいなかった部員がいるのに誰も気付いていないと相談されたビーナスは、どうやら彼もグラウンドで『移動』に立ち会っていたらしいと推察したようで、きっと疲れているのだとごまかして保健室へ向かわせた後、果たして真実を伝えるべきか思い悩むのであった。

『移動』の真実(2年2月4週)

 募りに募った疑念から、ひょっとすると妙な事態に巻き込まれているのかもしれないとに相談する主人公。しかし、確かにこの学校はどこか奇妙に感じられるが、部員が入れ替わったなどの主張は主人公1人が言っているだけであり、深刻に捉えるほどのことではないと賛同は得られず。違和感に気付いているのがあくまで自分しかいないことを再認識することとなる。
 ちょうどそこへビーナスが登場し、2人を夜のグラウンドへ来るよう勧誘。違和感の正体がわかるかもしれないと承諾した彼は、前回同様頑として応じようとしない鋼を何とか説得してみせる。

 夜のグラウンドへ2人が向かうと、待ち受けていたのは火野とビーナス。グラウンドで一体何が起こるのだという主人公の質問に、グラウンド以外で何かが起こるのだと答えた彼女は、ついに『移動』の全貌を明らかにし始める……。

 何でもラグナロク分校は平行世界が互いに交じり合う『特異点』に偶然位置しているため、時空の歪みにより3ヶ月ごとに崩壊を来たすらしく、その際強く願いをかけると、意志の力に引っ張られてその願いが叶った『別の世界』へ『移動』するのだとか。そして、その事実に気付いたビーナスは、最強の野球部を結成すべく幾度となく平行世界を渡り歩き続けてきたのだという。
 さらに説明を引き継いだ火野により、『移動』を始めた当時からの部員は火野とビーナスのみで、水野、草野、矢部門はそれぞれ異なる平行世界で仲間にしてきたという事実が語られる。

 鋼がバカバカしいと信じずに帰宅してしまう一方、主人公はこれまで起こった奇妙な出来事の辻褄が合うと一応信用。ここで、より詳しい『移動』の設定についてビーナスから聞くことができ、

  • 『移動』が起こる範囲には少なくともグラウンド内が含まれるが、厳密なことは不明であること。
  • 同一人物が複数現れたことはなく、グラウンドで『移動』した人間は『移動』先の世界でも予め存在していたことになり、これまで矛盾が生じたことはないこと。
  • 『移動』については先輩から聞いた噂話をビーナスが実際に試してみたことで発見したこと。
  • 水野や草野のような有力選手が辺鄙な分校に入学したり、いくら『移動』してもグラウンドに来ない鋼が入れ替わらなかったりする以上、グラウンド内の人間の意志が『移動』先の世界に反映されやすいと考えられること。
  • メンバーの誰かが元いた世界に戻ったことは一度もなく、恐らく元の世界には戻りたくないという全員に共通の意志が影響している可能性が高いこと。

 ……などを教えてもらえる。そうするうちに『移動』が完了し、「思ったよりあっけないな」と思う主人公であったが、『移動』で家族が変わっていないかにわかに心配になり、慌てて帰宅。幸い両親は無事で、家のカーペットが変わっているだけで済み、心から安堵する。

 翌朝、変わらず健在な鋼と出会い、「あんな世迷い言、よく信じるな」と呆れられるが、身をもって『移動』を体験したためもはや信じるほかないと伝え、彼を絶句させる。
 そこへ火野も登場、鋼がいるとは願いが通じて良かったと喜ぶ彼に、慣れ親しんだ家族と別れる羽目になるかもしれないのによく平気でいられるなと突っかかると、『移動』によって妹の人格が変わったが慣れれば大したことないと衝撃の返事が。そこまでして強くなりたいのかと叱りつけるも、「ああそうさ!だって、ボクは勇者なんだからね!勇者は勝たなくちゃいけない!強くなくちゃいけないんだ!それのどこがおかしい!!」と開き直られてしまい、返す言葉もなくなるのであった。

もう逃げたりしない(2年3月2週)

 部室に関係者一同を集めた主人公は、『移動』に自分を巻き込んで家族と引き裂かれる危険に晒したことを許せないと切り出し、『移動』に訴えるまでに強くなることを求めるに至った事情を聞きたいと各々に尋ねる。

  • 臆病で弱虫な少年時代、勇者ごっこによって臆病な自分を覆い隠すことを通じて野球の才能を開花させたため、強くなくなる=勇者でなくなる=野球で敗れることなど到底受け容れられないと自らの背景について語った火野は、水野がかつて交通事故で丸1年を棒に振ったこと、草野も以前は弱小校で埋もれようとしていたことも明かし、「○○は、そんな世界を、そんな人生を肯定しろと言うのか!」と逆に主人公へ問いかける。
  • 続けてビーナスも、家庭を顧みない自堕落な両親の下常に孤独を抱えて生きてきたことを語り、「移動した先には、きっと私が幸せになれる世界があるはず」と信じることで人生に絶望することなく生きて来られたのだと事情を明かす。

 そうして各人の事情を把握した彼は、それらの態度は全て『逃げ』に過ぎないと喝破。ラグナロク分校に転校してきて以来、周囲との実力差に打ちのめされても諦めずに努力を重ねてここまでのし上がってきた自身の経験を語り、強豪チームに所属したこともなければ、数限りないケガを経験してもきたが、そういった数多の困難を乗り越えてきたからこそ今の自分があるのでそれを否定しようとは思わないし、誰かに助けてもらいたいなんて甘えたことは考えなどしない、運命は自ら切り開くものであり、自分や運命と向き合わず逃げてはならないとまで言い切ってみせる。

 はじめは何も答えることができない一同であったが、水野と草野がその通りだと認めたことで、火野とビーナスも自らの『逃げ』を認め、『移動』に頼らず運命に立ち向かうことを次々決意するように。しかしその一方、矢部門だけは「とんだ茶番でやんすね!」「お涙ちょうだいは飽き飽きしたでやんす!」「できることは全てするのが現実でもゲームでも当然のことでやんす!」と一向に納得せず、訣別が決定的となってしまうのであった。

さらば矢部門、よろしく矢部門(3年5月4週)

 ついに迎えた大会前最後の『移動』の日。もう『移動』はしないと火野、ビーナスと約束し合い、矢部門のことは心配だが主力たる自分たちを引き連れずに1人で『移動』しても仕方がないだろうと楽観的に構える主人公であったが、帰り道で偶然出会ったチームメイトから矢部門が決起集会と称して夜のグラウンドに部員を集めていることを知り、急いでグラウンドへと向かう。
 すると、そこには大勢の部員が詰めかけた異様な光景が広がっており、実力不足の部員を『移動』で他の世界に飛ばして入れ替えることで戦力強化を果たすという計画の一部始終を矢部門から直接聞かされることに。必死の呼びかけでグラウンドから部員を離れさせ計画を阻止するも、失敗を悟った矢部門はこれ以上綺麗事に付き合うのはもうゴメンだと1人で『移動』していってしまう。

 翌朝、矢部門を止められなかったと後悔に沈む彼が火野とビーナスに慰められていると、『移動』したはずの矢部門が登場。3人は大いに驚くも、語尾が「やんす」でなく「デス」な上温厚な性格になっているなど、『移動』前の矢部門とは似ても似つかぬ人格が宿っているとすぐさま判明し、『移動』の恐ろしさを改めて痛感することとなるのであった。

実は……

 このとき矢部門をデッキにセットしていると主人公の説得に心動かされて矢部門は残留。横柄な態度も改まり、やたら素直な性格になる。

大会を前に(3年6月4週)

 オリジナル矢部門が去ったショックは癒えないものの、大会を前に気合充実といった様子の火野、水野、草野の姿に、前回大会のように名簿漏れがあったりはしないだろうかと不安を覚え、抜かりはないとビーナスに保証してもらう主人公。
 あれは『移動』の影響だったのかもしれないと彼は口にし、ただチームを強くしたい一心で『移動』を繰り返したが、少なからず余波があったのだろうと後悔を滲ませるビーナスに対し、過ぎたことを悔やんでも仕方ないと励ましの言葉をかけ、来たる大会へ向け士気を高めていくのであった。

SRイベント『リフレイン』(2年12月1週~ランダム発生)

 ラグナロク分校限定イベント。ビーナスが彼女になっているかどうかビーナスの背景を知り二度と『移動』しないと約束を交わす2年3月2週以降の発生かどうか4通りのパターンが存在する。

 練習に気合を入れ過ぎて盛大にコケてしまった主人公。慣れないことをするからだとビーナスに叱られて落ち込んでしまう。
 「まあ、今日はたまたまヒマなのでこの私が直々に手当てをしてさしあげます。……感謝していただいてもよろしいのですよ?」といつも通り恩着せがましい彼女に、消毒液を塗って絆創膏を貼るだけじゃないかとツッコむと、「……なにかおっしゃいましたか?」といつもの殺気が。慌てておべっかで取り繕い傷口を見てもらうも、やはり消毒液を塗って絆創膏を貼るだけで十分との感想で、さっき言った通りじゃないかとジト目。「ねえ……○○くん、『口は災いのもと』ってご存知?」と再び殺気が漂い始め、平謝りする羽目になる。
 ここで話題がガラッと変わり、すり傷1つでも痛いわ煩わしいわ手当は必要だわで人間の体は面倒だ、いっそ痛みなんてなければいいのにとビーナスはポツリ。それに対し彼は、ケガの教訓が次なる失敗を防ぐ糧となるのだから痛みにも意味はあるのだと反論を試みるが……。

ビーナスが彼女でなく2年3月2週以前

 「私はそんな教訓など必要ありませんわ」「傷付かないのが一番です」と語り、これまでの人生でも出来る限り傷付かない道を選んできたという彼女を、そんな考え方では人として成長できないし甲子園も夢のまた夢だとたしなめる主人公であったが、そういうことは他人に任せて自分は神のごとき高みからその上澄みの栄光だけをいただくつもりだというあまりにも勝手な彼女の言い分にただただ呆れ果ててしまうのであった。

ビーナスが彼女かつ2年3月2週以前

 「それは負け惜しみですわ」「こんなかすり傷ならともかく大ケガでもしたらどうするのです?」との切り返しに対し、主人公は大ケガには気を付けているので大丈夫、甲子園に行くためにはケガを恐れず練習しなければと中々の根性論で答えるが、それではダメだと思ったのか彼女は「……やはり『移動』でもっとチームを強くしなくては」と呟くのであった。

ビーナスが彼女でなく2年3月2週以後

 「そう考えれば少しはなぐさめになるかもしれませんが、やっぱりケガは嫌なものですわ」との切り返しに主人公は頷きつつ、ケガをしてしまったらそれはもう仕方ないことなのだと続け、たとえ『移動』したとしてもケガを負った自分だけは変えようがないとビーナスもさらに続ける。
 ここで、逆に『移動』を封印したことでビーナス達は変わったと指摘。「……さあ、どうでしょうか」「でも、その選択をしたことを後悔はしたくないですね」とやや歯切れの悪い答えが返ってくるが、構わず「ああ、必ず後悔させないよ!」と啖呵を切ってみせるのであった。

ビーナスが彼女かつ2年3月2週以後

 「そう……そうですわね」「流石○○くんですわ。確かにそういう考えもございます!」とビーナスは感心しきりで、調子付いた主人公は、都合の良い世界を『移動』で探す必要などないし、今のビーナスと離れ離れになってしまう危険すらあるのだからむしろ『移動』なんて無くていいとノロケ混じりに彼女を説得。「ありがとう、○○くん。そんな風に言ってくれる人なんて今までいなかったわ」と素直に喜ばれ、「安心しろ。これからはオレがいる。もう悲しい思いなんてさせないよ」と共に寄り添い合って生きていく覚悟を語るのであった。

SRイベント(火野)『勇者は姫を守るもの』(ランダム発生)

 主人公がビーナスと付き合っていない場合に発生する、火野勇太郎のラグナロク分校限定イベント。後述する火野エンドの発生条件となっている。

 休憩中ゲームの話題で主人公と盛り上がる火野は、そこへ現れたビーナスに何の話か尋ねられたことでにわかにソワソワし始め、2人に気遣われる事態に。しかし不審な挙動はさらに悪化してしまい、「なにやってるんだか」と呆れて一足先に練習へ戻ろうとする主人公を、必死の形相を浮かべて引き留めにかかる。
 火野→ビーナスの好意を察した主人公が気を利かせて彼女に好きなタイプの男性について尋ねると、「私を守ってくれる強い人がいいですね」との答え。バカ正直にマッチョアピールを始める火野であったが、意中の相手の視界には入っておらず気付かれない。続けて何より最も大事なのは自分を幸せにしてくれることだと語ったビーナスが、「……でも、なぜそんな事を?」「はっ!もしや、○○くんは私のことを!?」と主人公へバカ正直に疑念をぶつけたことで、火野も固唾を飲んで彼の答えを待つことに。ただちょっと気になっただけだとの弁解を得る。

 その後ビーナスが去って2人きりになり、ビーナスについてどう思っているのか尋ねられた火野は、「ビーナスは姫だ!」「ああ、勇者が守るべき姫だ!おしとやかで可憐で……」と熱に浮かされたように返答。いやいや傍若無人じゃないかとのツッコミには、「ビーナスの悪口を言うなーーっ!!」といきり立ち、「かわいくて優しくて、ビーナスこそは、ボクの理想の姫の姿そのものなんだからな!」とまくし立てる。
 そんな彼について、恋は盲目とはよく言ったものだと呆れながらも、「ホント、色々大変だと思うけど……とにかく頑張れ」と"勇者"の恋路を応援する主人公なのであった。

甲子園決勝(3年8月2週)

 順調に勝ち進んだラグナロク分校を待ち受けていたのは戸井鉄男率いる私立パワフル学園。なんとラグナロク分校の正式名称は私立パワフル学園ラグナロク分校という事実がここで明かされ、奇しくも本校と分校が決勝で相まみえることとなる。
 しかし、パワフル学園の陣容はアフロ猪狩友沢亮清本和重ら高校球界オールスターと言っても過言ではないメンバーで、もしかしたらパワフル学園でも『移動』があったのかもしれないなどとビーナスと話し合う主人公であったが、だからといって気後れすることなどはなく、「それでも私たちは負けない!運命は、自分の手で切り拓きます!」という強い意志のこもった彼女の言葉に肯き、決勝へ向け闘志を燃やすのであった。

エンディング(3年2月4週)

 卒業を迎えた主人公が部室で1人感慨に耽っていると、ビーナスが登場。「あら、まだ部室にいらしたんですか?みなさん三々五々帰路につかれておいでですよ」と言う彼女にそちらこそ名残惜しくて残ってるんじゃないかと返すと、なぜかぎこちない反応が返ってき、違和感を覚えることとなる。

 その夜、『移動』するため1人グラウンドに立つビーナスは、「まだ夜は冷えますわね。頬に当たる風が冷たいです。これが、この世界で触れる最後の風。そう思うと、感慨深いものです」としみじみ。そこへ、彼女を大声で呼びながら主人公が駆けつけ(カレンダーを見て『移動』が起こる日だと気付いた)、封印したはずの『移動』を再び行おうとするワケを尋ねてくる。
 それに対し彼女は、夏の大会に勝てば幸せが舞い込んでくると思っていたのにそうはならなかった、プロ入りの切符を掴んだ主人公は幸せかもしれないが、自分は不幸なままだから今より幸せになれるかもしれない世界へ旅立ちたいのだと返答。以降の展開は条件によって3通りに分岐する。

私は、夏の大会に勝てば……優勝さえすれば、幸せが舞い込むものとカン違いをしていました。
そして、○○くんは幸せをつかめたかもしれません。でも、私は……
だから、私は『移動』したいのです。今よりも幸せになれるかもしれない違う世界へ。

バッドエンド

 ビーナスが彼女でなく火野エンドの発生条件を満たしていない場合発生。

  • 「彼女を見送る」を選んだ場合、よく考えた上での決断なのだろうと彼女の意志を尊重することに。2人は別れの挨拶を交わし、ビーナスは『移動』していくのであった。
  • 「思いとどまらせる」を選んだ場合、半年やそこらで見切りを付けるなど逃げ以外の何物でもないと説得を試みるも、たとえ間違ったやり方であったとしても幸せを掴むための努力をしたいのだとビーナスは『移動』していってしまう結果に。喪失感に打ちのめされる彼は、目の前に現れた『移動』後の彼女を見て「……キミはビーナスじゃない。ビーナスだけど、ビーナスじゃないんだ」と悲嘆に暮れるのであった。

○○くん……まだわかっていないのですね。
持たざる者の苦しみ、愛されぬ者の悲しみが。
もちろん、行った先にも幸せはないかもしれません。
ですが、たとえ逃げであろうと間違ったやり方であろうとも私は、努力をしたいのです。
……もう行きます。
さようなら、○○くん。あなたのこと、好きでしたよ。

主人公エンド

 ビーナスが彼女のとき発生。

  • 「彼女を見送る」を選んだ場合、よく考えた上での決断なのだろうと彼女の意志を尊重することに。やがて『移動』が始まり、「オレ、ビーナスに会えて本当に幸せだったよ!」と別れの言葉を贈ると、「私も……私も幸せでした」という返事が口をついて出てきたことで、ビーナスはこの期に及んで自分が既に幸せを手にしていたことに気付くこととなる。すると、『移動』は普段と異なる展開を見せ、彼女がグラウンドに留まったままで終息。すんでの所で離れ離れにならずに済んだ2人は固く抱き締め合い、一息吐いた後、なぜ『移動』が起きなかったのかと主人公が疑問を口に。ギリギリのところで「とどまりたい」と強く願ったことによるのかもしれないという彼女の憶測に納得し、「これからもずっと一緒だ」と誓うのであった。

私も……私も幸せでした。
ああ、私も幸せだったのです!

○○くん!
○○くん!!
ごめんなさい。私、目の前の幸せに気付こうともしないで……。

  • 「思いとどまらせる」を選んだ場合、それは単なる逃げだと再び喝破し、「そんなことを繰り返しても、ビーナス自身が変わらなきゃ世界なんて変わらない!そんなに世界を変えたいならオレが変えてみせる!だからこっちに来い、ビーナス!」と力強い言葉で引き止めることに。その言葉を受け容れて抱きついてきた彼女に、「オレもサポートするよ。だから、だから2人でがんばろう!1人で抗うことなんてもうしなくていい!これからはずっと2人だ!」と共に幸せを築き上げていくことを約束するのであった。

はいっ!
私、この世界でがんばってみます。自分の力で運命を切り拓けるように!

火野エンド

 火野のSRイベント『勇者は姫を守るもの』を見た上で甲子園優勝を果たし、かつビーナスが彼女でない場合に発生。

 甲子園優勝を果たした場合、3年8月4週に火野は『移動』を繰り返した"償い"として水野、草野とともにそれぞれ『移動』して元の世界へ戻るつもりだと主人公に語るのだが、当エンドの条件を満たしていると追加テキストが発生。「おい、ビーナスはどうするんだ?火野はビーナスのこと好きなんだろ?」「好きな人を放っていくのか?」と問い質された彼は、「今更告白してみて姫の心にクリティカルヒットする確率なんてあるのかな?」「姫と元いた世界に戻る。確かに理想的なエンディングだけど、そうなる望みなんて薄いんだよ」と弱気に返答。「やってみなきゃわからないよ」「自分の気持ちに素直になれよ!それが1番いい方法さ!」と力強い言葉で背中を押してもらう。

 そして迎えた3年2月4週、途中まではバッドエンドの「彼女を見送る」と共通なのだが、いざ『移動』しようとしたところで「ちょーっと待ったぁ!」と火野が乱入し、「ビーナス!僕と元いた世界に戻ろう!」と叫ぶことに。まだ『移動』していなかったことに驚く主人公に、「ふふ、姫への思いをどうするのか悩みに悩んでしまってね」と照れくさそうにはにかんだ彼は、「でも、決心したんだ。もう迷いはない!ビーナス、ボクと一緒に行こう!」「ボクは離れ離れになった妹に会うため、元いた世界に戻る!ビーナスもついて来てくれ!その代わり、ビーナスは……ボクが必ず守り通してみせる!」と彼女に熱烈アタック。ビーナスは初めての『移動』以来ずっと側にいてくれた彼の想いを受け容れ、強く願えば戻れるはずだと2人が出会った元の世界へ戻ることを承諾する。
 いよいよお別れの時、背中を押してくれなかったら決心がつかなかったかもしれないと感謝された主人公は、「いや、火野ならできていたはずさ。なんてったって、火野は勇者なんだから!」と気の利いたコメントを贈って笑顔でお別れを済ませ、『移動』していく2人を見送るのであった。

……私は、自分のことをずっと孤独だと思っていましたが、そうではなかったようです。
私の運命を変えてくれる人、それは火野くんだったのですね。

火野くん、早くこちらに。
元いた世界に戻るのでしょう?
2人で強く願えば、必ず帰ることができるはずです!

新規作成日: 2021/06/20 02:49
最終更新日: 2022/12/20 23:18
最終更新者: 匿名ユーザ
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